恋愛を経験したことがある人なら多かれ少なかれ、失恋もしたことがあると思います。
そんな時、
「失恋のショックで一か月で5kgも痩せた。」
あなたも友人と、そんな会話をしたことはありませんか?
そうです。失恋すると痩せるってことはよくあることなんです。
「痩せられたからある意味ラッキーじゃん。」
と思うかもしれません。
でもこの失恋で痩せたケース、実はあまり良い痩せ方とは言えません。なので、まずは失恋した時に痩せる仕組みをしっかり理解していきましょう。
その仕組みを理解することができれば、失恋後に痩せてしまった場合も適切に対処することができるようになります。
失恋してから痩せてくるのはいつ頃?
失恋をするとたいていの人は、最初そのことを受け入れることができず現実逃避してしまいます。つらいことから目をそむけてしまうんですね。実は、この段階で痩せることはほとんどありません。
でも徐々に失恋を受け入れるようになってきます。毎日あったはずの相手からのLINEの未読通知がないことに気づいたり、週末に予定がなくなって急に「何か暇だな~。」と暇を持て余すことが多くなったり、少しずつ失恋を実感することが増えてきます。
痩せてくるのはこの頃からです。失恋を受け入れて気分が落ち込むと、自暴自棄になってきます。人によってその度合いは様々ですが、色々なことに対して興味がなくなってくるんですね。
でも単に気分が落ち込んで自暴自棄になっただけで痩せてくるという訳ではありません。ここからはより具体的に失恋後痩せてしまう仕組みを解説していきます。
失恋すると痩せる理由
失恋すると脳内で分泌されなくなるドーパミン
人は恋愛をすると脳内でドーパミンというの興奮物質が分泌されます。ドーパミンは「幸せホルモン」とも呼ばれていて、交感神経を刺激し、活動を活発にする作用があります。
そして、一般的に交感神経が優位になると、やる気なども出て、食欲も増進します。あなたもそんな経験があるんじゃないでしょうか。いわゆる「幸せ太り」もこれに該当します。
でも失恋すると逆に分泌されていたドーパミンが少なくなってしまいます。それに伴って、食欲を抑制する物質が分泌されたり、食欲を増す物質が抑制されます。
その結果、食欲は落ちて、当然のように体重も減ってきてしまうんです。
血糖値を上昇させるコルチゾール
次に、失恋によってストレスを感じるようになると脳から分泌される「コルチゾール」という物質について説明していきましょう。先ほどのドーパミンと違って聞いたことがある人は少ないじゃないでしょうか。
コルチゾールとは
コルチゾールとは、副腎皮質から分泌されるホルモンの一つです。ストレスを受けた時に分泌が増えることから「ストレスホルモン」とも呼ばれています。コルチゾールの主な働きは、肝臓での糖の新生、筋肉でのたんぱく質代謝、脂肪組織での脂肪の分解などの代謝の促進、抗炎症および免疫抑制などで、生体にとって必須のホルモンです。
引用元:ヤクルト中央研究所
実はこのコルチゾールは血糖値を上昇させる作用があることがわかっています。
「食事をする際は野菜から食べて血糖値を少しずつ上げていった方が太りにくい。」
ってよく言いますよね。血糖値は食欲と密接に関わっているんです。
失恋によってストレスを感じるようになるとコルチゾールが分泌され、食べていなくても血糖値が上昇してくるようになります。そうすると自然とお腹が空きにくくなってしまい、結果的に食が細くなってくるという理屈です。
単純なストレス増加による身体機能の低下
失恋に限らず、ストレスが大きくなると、それが人体の様々な機能に影響を及ぼしてしまいます。
自律神経の働きに異常が生じてしまい、例えば、胃や腸などの消化器官の機能が低下してしまうことだってあります。そうなると、食欲が減退してしまうことは容易に考えられることです。
失恋後、痩せてしまった時に注意すべきこと
ここまで失恋と痩せる仕組みについて解説してきましたが、どうでしょうか?どれも一般的な感覚からするととても健康的な痩せ方とは言えませんよね。女性の方にとっては美容にもよくありません。
運動をすることによって、筋肉量を増やして代謝を良くすることや、適度な食事をとるという健康的な痩せ方と違って、要は栄養不足で痩せたということになりますから、単に食事制限だけのダイエットと同じでリバウンドを引き起こしやすい痩せ方なんです。
また、人によっては、失恋後に痩せたことによって、痩せることに対する欲求が高まることがあります。そして、過度なダイエットに走ってしまって、食事をすること自体に罪の意識を感じてしまい、その結果、いわゆる摂食障害と呼ばれる状態になってしまうこともあります。
摂食障害になってしまうと、リバウンドで済めばまだマシと言えるくらい、心身共に大きなダメージを負ってしまいます。
なので、リバウンドや摂食障害に陥らないためにも、失恋後、何もしてないのに痩せてきたなと思ったら、健康を意識して、適切な食生活を心がけてみましょう。
食欲がなければ、消化の良いおかゆだったり、自分の好きな食べ物を食べるようにすると良いでしょう。ただし、逆に食べ過ぎてしまうことには気を付けてください。
痩せたならそれを上手く活用しよう
失恋後に痩せるのは健康的な痩せ方ではないと解説してきましたが、もともと痩せたいと思っていたのならある意味良い機会でもあります。
あなたも以前は太り気味だった元彼や元カノに久しぶりに会った際、痩せてシュッとしてカッコよくなったなとか、綺麗になったなと思ったことはないしょうか。
実際痩せると着られる服装も増えますし、顔立ちも変わってきて、女性ならメイクの見栄えも変化してきます。
そんなあなたを見て、元彼や元カノは後悔するかもしれません。もしかしたら復縁のきっかけになる可能性だってあるんです。
復縁に至らなかったとしても、そうやってもし相手を見返すことができれば、あなたの気分もいくらか違ってくるのではないでしょうか。
ですので、この機会を上手く活用して生活習慣を見直した上で、健康的な痩せ方を身につけていきましょう。
失恋相手をいつまでも引きずらない
ここまでは失恋後の痩せる仕組みを解説してきましたが、根本原因である失恋相手をいつまでも引きずらないということも重要です。
そうは言っても、
「忘れたくても忘れられない!」
「すぐに忘れられたら苦労しない。」
と思うかもしれません。確かにそう思う人が多いでしょう。ですがいつまでも根本原因を抱えたままではよくありません。そういった人は例えば、以下のような方法を試してみましょう。
相手との思い出のものを捨てる
思い出のものが目に入ってしまうとどうしても相手を思い出してしまいます。なので思い切って処分してみると良いかもしれません。どうせならものだけじゃなくて、できれば電話番号やLINEの履歴などもデータ類も削除してみるのもありかも。
仕事や趣味に没頭する
仕事や趣味に没頭して忙しくすることによって、無理にでも失恋したことなんか考える暇がない状態にする方法もあります。根本原因が薄れてくれば、あなたの精神状態も正常に戻り、それに伴ってマイナスの影響も軽減されてくるはずです。
新しい相手を探す
新しい相手ができれば、ドーパミンも分泌されるようになりますし、失恋の痛みもあっという間に癒されるでしょう。すぐには難しいかもしれませんが、おそらくベストな解決策でしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。今まで失恋後に痩せるのは、単につらいから痩せてしまっただけだと思っていたのではないでしょうか。実は失恋後に痩せるのはそれなりのメカニズムがあった訳です。
失恋後の脳の仕組みを理解すると失恋をして痩せてしまうのは普通のことだというのがわかったと思います。
もちろん、人によっては時間が解決してくれる場合もあるでしょう。でもそうでない人がちゃんと仕組みを理解していなければ、いざそんな状況に陥ってしまった時に適切な対処ができません。
失恋後に痩せることは、身体に異常が生じたことによる健康的な痩せ方ではないことを理解して、その反動でリバウンドしてしまうことや、摂食障害になってしまわないように十分に注意していきましょう。
そして、可能であれば、それを上手く活用して以前よりも良い状態を目指していきましょう。
また、理由が何であれ気分が落ち込んだ状態が継続すると身体にとっても良くありません。なかなか難しい思いますが、あまり抱え込まず、気持ちを切り替えて、ポジティブなマインドでいることを心がけていきましょう。